二十四節気の「大寒(だいかん)」は、一年で最も寒さが厳しい頃。寒の内の真っ只中ですが、二十四節気も締めくくりを迎えての「春隣(はるとなり)」。雑節と呼ばれる季節の節目「冬の土用(どよう)」を過ごします。
新年を迎えてからは、時の経つのが早いこと。1月は「行(イチ)ってしまう」2月は「逃(ニ)げてしまう」3月は「去(サン)ってしまう」と言われる様に、あっという間に過ぎてしまいます。
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「大寒」における七十二候は 次の三候
初候「款冬華さく(ふきのとうはなさく)」第七十候
雪の下からふきのとうが顔を出す、新暦1月20~24日頃
蕗(ふき)は、雪を突き破るように出てきて花を咲かせます。花をつける茎と葉をつける茎は別々になっていて、まず花茎を伸ばし花を咲かせてから葉を伸ばします。その若い花茎が蕗の薹(ふきのとう)です。
春の食を楽しませてくれる蕗の薹。香りとほろ苦さに特徴があります。まだまだ寒い夜、たらの芽などと一緒に天ぷらにして、熱燗で早春を味わいます。ちょっと贅沢なひと時です。
次候「水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)」第七十一候
沢の水が厚く張りつめる、新暦1月25~29日頃
末候「鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)」第七十二候
鶏が卵を産み始める、新暦1月30~2月3日頃
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「節分」と言えば、2月3日のイメージが強いですが、2021年は、2月2日となります。国立天文台によると、2月3日でないのは、昭和59年(1984年)2月4日以来の37年ぶり、2月2日になるのは、明治30年(1897年)2月2日以来の124年ぶりのこと。
季節の分かれ目という意味の雑節「節分」は、本来は、季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前日の年に四回。旧暦では、立春が一年の始まりでもあったことから、その前日は、大晦日と同じ意味合いで大切にされてきました。
一年は365日とされていますが、実際には地球は太陽の周りを365.2422日かけて一周しています。一年毎に0.2422日の差が生まれ、時間換算すると同じある地点を通過するのが6時間ほど遅くなっていきます。これを四年に一度の「うるう年」において、暦を一日増やすことで調整していますが、四年前のうるう年より少し早くなってしまうというパターンになっています (図-1)。
こうして暫く2月4日に納まっていた立春の日が、令和3年(2021年)には2月3日へ移ることで、節分も連動して前日の2月2日へ移るということになります。
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大樹の根元に寄り添うように生える万両の樹。冬色の中で赤赤と映えるその実がとても美しいです。新春を迎えて、この一年が実り多き年となりますように‥と願いを込めます。