二十四節気の「夏至(げし)」は、一年で最も日が長く、夜が短い頃。一年も真ん中辺りに差し掛かり、夏の盛りに入っていきます。太陽の位置も最も高くなり、地面に写る影が短くなります。
雨降りの道ゆくモノトーン気分の中、コントラスト鮮やかに咲き誇る紫陽花たちに見惚れてしまいます。小さな装飾花によって、手毬状の花房が色とりどりに織り成されます。
「夏至」における七十二候は 次の三候
初候「乃東枯る(なつかれくさかれる)」第三十一候
うつぼぐさが枯れる、新暦6月21~25日頃
うつぼぐさは、冬至の頃に芽を出して、この夏至の頃には、親指ほどの花穂(かすい)に次々と紫色の花を咲かせます。その花の後には、枯れた様になった花穂だけが残るので、夏枯草(なつかれくさ・かごそう)とも呼ばれます。その花穂は、昔から生薬として活かされています。
次候「菖蒲華さく(あやめはなさく)」第三十二候
あやめが花を咲かせる、新暦6月26~30日頃
初夏に咲くあやめは、美しい紫色の花。どちらも似ていて共に優れており、優劣つけ難いことを意味する「何れ菖蒲か杜若(いずれしょうぶかかきつばた)」などと比べられたりします。花が咲く時期や場所、花びらの色や模様・大きさや形に、それぞれ違いがあるようです。
末候「半夏生ず(はんげしょうず)」第三十三候
半夏(からすびしゃく)が生え始める、新暦7月1~6日頃
本年の前半の半年を無事に過ごせたことに感謝をするとともに、後半の半年の無病息災をお祈りする「夏越の祓(なごしのはらえ)」(6月30日)を迎えます。各地の神社では、茅草(ちぐさ)で作った大きな輪が立てられて、「茅の輪くぐり」が行われています。