二十四節気の「大暑(たいしょ)」は、最も暑い真夏の頃。昼間は、強烈な陽射しが照りつけます。夕暮れ前には、打ち水をして涼をとり、暮れたら、浴衣に着替えて線香花火。夏の風情を楽しみましょう。
太陽に向かって咲く「向日葵」、その花姿も燦燦と煌めく太陽のよう。「日向葵(ひゅうがあおい)」「日輪草(にちりんそう)」「日車(ひぐるま)」「照日葵(しょうじつき)」などとも呼ばれます。
「大暑」における七十二候は 次の三候
初候「桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)」第三十四候
桐の花が天高く咲き始める、新暦7月22~27日頃
桐は、大きな葉をつけて、淡い紫色の花を梢にたくさん咲かせます。桐の木は、箪笥などの日本家具の材料として長年使用されてきています。湿気を通さずに割れる心配も少なく、加工をする際にも、様々な木材にある「狂い」と言われるものが殆どないため、家具類の材料として適しています。
次候「土潤いて溽し暑し(つちうるおいてむしあつし)」第三十五候
モワッと熱気がまとわりついて蒸し暑い、新暦7月28~8月1日頃
生い茂った草むらの湿気が、強い陽射しに照らされて放つモワッとした熱気。「草熱れ(くさいきれ)」とか「草の息」などと呼ばれたりします。炎天下でも強く育つ草たちの息吹が上手に言い表されています。陽が暮れるとともに、ゆっくりと、その熱り(ほてり)を冷ましていきます。
末候「大雨時行る(たいうときどきふる)」第三十六候
夏の雨が時に激しく降る、新暦8月2~6日頃
青空に広がる大きな入道雲の下。突然の夕立ちに慌てて、雨を凌げるところに駆け込みます。その鋭く突き立てるような激しさは、竹に見立てて情緒的に表現されます。「銀竹(ぎんちく)」と呼ばれたり、細く群がって生える篠竹(しのだけ)のようだと「篠突く雨」と呼んでみたり…。