二十四節気の「立秋(りっしゅう)」は、初めて秋の気配が漂い始める頃。立秋を迎えれば、どんなに暑くても残暑と言います。暑中お見舞いも立秋の前日まで、この日からは残暑お見舞いとなります。
木々の繁みの中からは、涼やかで どこか寂しげな蜩(ひぐらし)の「カナカナ…」という鳴き声が聞こえてきます。暑い夏と小さな秋が交錯しながら、少しずつ季節が移り変わっていきます。
「立秋」における七十二候は 次の三候
初候「涼風至る(りょうふういたる)」第三十七候
涼しい風を感じ始める、新暦8月7~11日頃
まだまだ厳しい暑さが続く中、時折りスーっと涼しい風が体を吹き抜けていきます。心身ともに癒してくれる優しい風、暑い夏を過ごしてきたからこそ感じる秋の心地よさ。聞こえてくる虫たちの鳴き声や咲いている草木の様子などにも、季節の小さな変化を感じます。
次候「寒蝉鳴く(ひぐらしなく)」第三十八候
ひぐらしが鳴く、新暦8月12~16日頃
木々に留まる蝉たちが、全身を震わせながら力強く奏でる大合唱が響き渡る中、朝夕の散歩道で聞こえてくる蜩(ひぐらし)の消え入るような高く澄んだ鳴き声は、夏の終わりと秋の訪れを知らせてくれています。この時季の散歩道…、五感で小さな秋を感じてみましょう。
末候「蒙霧升降ろす(のうむしょうこうす)」第三十九候
深い霧が立ち込める、新暦8月17~22日頃
大海原のような青い空を、ゆったりと動いていく白い霧。それを小さな波に例えて「細小波(いさらなみ)」と言います。そんな空の様子を眺めながら、行きゆく夏への名残り惜しさを感じます。お盆を過ぎて、少しずつ涼しくなり、秋の気配が漂い始めます。