約20年前にスペインのバルセロナを訪れた時、アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアの建造は、まだあと百年以上掛かると言われていた。その後の状況が気になります。
カタルーニャ州の独立問題に関するニュースを耳にする中で、約20年前にバックパックで訪れたサグラダ・ファミリアの その後の建造状況が気になりました。
サグラダ・ファミリアは着工が1882年で、最初は、フランシスコ・ビリャールという建築家のもとに進められたが、意見の対立などを理由に翌年解任されて、その後をガウディが引き継いでいる。
設計はガウディが一から練り直し、1926年に亡くなるまで生涯かけて取り組んだ。
建設当初は、完成までに300年は掛かるとも言われていたらしいが、2000年代になってから、工事の進捗は加速しているらしい。最新技術である3DプリンターやCNC(コンピューター数値制御)の石材加工機‥などの活用が大きな要因となっている。
私が訪れた1998年の時とは、現場の雰囲気もだいぶ変わっているようだ。
ガウディ没後100年となる2026年の完成を目指しているという話も聞いた。それでも着工から数えて、144年の歳月となる。何ともすごい時間のスケール感だ。それだけ歳月も経っているので、建築と並行しながら、各所で修復作業も行われている。
見学した当時、それぞれの現場で、色んな分野の職人さんたちが黙々と作業を進めていた。サグラダ・ファミリアは、まさに、ものづくりのチカラの現場そのものだった。
現代の建築では類を見ない工期であるが、時代を遡れば遡るほど、そのスケールもしくは、それ以上の時間のスケールの建造物はたくさん存在したであろう。
建築ばかりでなく、現代のものづくりの現場は、基本的に工期・納期ありきである。ビジネスのスピード感からすれば、それはそれで仕方ない。
しかし、このような完成ありきという大きな時間のスケール感の中で形になるものづくりの現場を目で見て感じると、心の奥にエネルギーが満ちてくる。
2026年、サグラダ・ファミリアが完成した暁には是非とも、またこの目で見てみたいなと思います。