二十四節気の「雨水(うすい)」は、降っていた雪が雨へと変わり氷が解け出す頃。三寒四温(さんかんしおん)と例えられるように、繰り返される寒暖の日を経ながら、春の陽気を待ちます。
寒暖の差が激しいので、体調管理が大事な時。春の訪れを告げる緑黄色野菜の菜花は、ほろ苦い蕾に含まれる栄養素(ビタミンC・鉄分・カルシウムなど)が体の免疫力を高め、気持ちも和らげてくれます。
「雨水」における七十二候は 次の三候
初候「土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」第四候
早春の暖かな雨が大地に降り注ぐ、新暦二月十九~二十三日頃
厳しい寒さが和らぐと、雪が雨へと変わり、積もった雪も解け始めます。川や湖に張っていた氷も溶けてきます。大地には、雪解けの水が染み渡り、雨が降り注ぎ、春の暖かな日差しが照らされて、春の花の開花を促します。昔から農業の準備を始める目安ともされてきました。
次候「霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)」第五候
春霞がたなびき山野の情景に趣が加わる、新暦二月二十四~二十八日頃
霞は薄ぼんやりとたなびき、霧の方は濃く立ち込める。春は霞、秋には霧と呼び分けます。花粉症の人は、春の霞を情緒的に捉えるよりも、花粉が飛んでいる様を思い描いてしまうのではないでしょうか。
末候「草木萌え動く(そうもくもえうごく)」第六候
次第に和らぐ陽光を受け草木が芽吹き出す、新暦三月一~四日頃
初春
旧暦一月(新暦二月)
睦月(むつき)
正月に家族や親戚で和やかな宴を催す仲睦まじい月の意。
「生月(うむつき)」が転じたという説もあり。
早緑月(さみどりづき)とも呼ばれます。
紅梅の花言葉は「優美」。その花の鮮やかな色合いと上品な香り、果実の三拍子が揃っていますが、武骨な幹も、その色合いの美しさが際立ちます。家具や器などを作る際の木材としても人気があります。
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春夏秋冬それぞれの季節に香りを楽しませてくれる香木(こうぼく)。春はジンチョウゲ(沈丁花)、夏はクチナシ(梔子)、秋はキンモクセイ(金木犀)、冬にはロウバイ(蠟梅)。
春が近づくにつれて花を開き、甘い香りを漂わせる「ジンチョウゲ(沈丁花)」は、その香りが沈香(じんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(ちょうじ・クローブ)に似ていることに由来しています。
花は、白色や桃色・黄色など。中心部分から外側へ、白色から赤紫色の美しいグラデーションを描くものもあります。それらの小さな花がまとまって鞠のように枝先に咲き誇り、その香りとともに、とても華やか。葉は、月桂樹(ローレル)の葉に似ています。