絵こよみ「清明」二十四節気 其の五

二十四節気の「清明(せいめい)」は、全ての命が清らかに生き生きと輝き出す頃。夏鳥たちが飛来し、冬鳥たちが旅立っていった後、雨上がりの青空には淡い虹が掛かります。

晴れ渡る山里。心地よい春の風が、桜の樹々をふんわりと揺らし奏でる音に耳を澄ませます。樹々の間からは、ウグイスやヒバリたちの美しい歌声が加わり、春の音楽会に暫し癒されます。

 

二十四節気「清明(せいめい)」八重紅枝垂

二十四節気「清明(せいめい)」八重紅枝垂

 

八重紅枝垂(やえべにしだれ)は、樹形は枝垂れ状、八重咲きで小輪の花を咲かせ、花弁の色は紅色。5分咲きから7分咲きの頃に紅色が最も濃くなり、その後次第に淡い色へと変化していきます。

 

 

「清明」における七十二候は 次の三候

 

初候「玄鳥至る(つばめきたる)」第十三候

南から海を渡って燕がやってくる、新暦4月4~8日頃

日本で生まれ育ち、南国で冬を過ごした燕たちが戻ってきます。鳥たちの陸海数千kmの距離を超えて飛んでくるエネルギーと正確に辿り着く方向感覚には、驚かされるばかりです。

戻っても親鳥は大忙し。巣を作り、餌を探して飛び回ります。雛たちは巣に守られながら大きく口を開けて、その餌を待ちます。燕の飛ぶ姿は、とても美しい。素早く滑らかに翻り、流れるような独特な軌道を描きます。

 

次候「鴻雁北へかえる(がんきたへかえる)」第十四候

日が暖かくなり雁が北へ帰っていく、新暦4月9~13日頃

南から海を渡って燕たちがやってくれば、秋に日本にやってきて冬を過ごしていた雁たちは群れをなし、北へ帰っていきます。その群れが羽ばたく羽音は「鳥風(とりかぜ)」と呼ばれ、風が鳴るように聞こえます。この時期の曇り空のことを「鳥曇(とりぐもり)」と言い、どこかもの寂しさを感じます。季節の変化は、出会いと別れ‥をもたらします。

 

末候「虹始めて見る(にじはじめてあらわる)」第十五候

春の雨上がりに空には初めての虹がかかる、新暦4月14~19日頃

 

 

晩春_三月_弥生

晩春

旧暦三月(新暦四月)

弥生(やよい)

 

「木草弥生い茂る(きくさいやおいしげる)月」

が要約されて「弥生」

「夢見月」「春惜月(はるおしみづき)」などとも呼ばれ、

あっという間に過ぎていく春の儚さが表されています。

 

二十四節気「清明(せいめい)」山桜

 

山桜の遊歩道では、陽当たりの良い斜面で、春の陽射しを存分に浴びながら、下の方から段々と花開いています。遊歩道を境に、ちょうど右左がツートーンになっていました。

 

 

「絵こよみ」で、春を象徴する「梅」「桃」「桜」の挿絵を描いてみましたが、描くにあたって留意した各々の花木の特徴は…。

 

「梅」

・花弁(花びら)の先端が丸い(品種によって若干の個性はある)

・花柄(花が付いている緑色の軸)がなく、花は枝に直接ついているように咲く。

・同じ付け根から1つの花しか咲かない

・葉は、花が咲き終わってから出てくる。

・幹肌は黒ずんでいて割れ目があり、ざらざらとしている。

「桃」

・花弁の先端が尖っている

・花柄が短く、花が枝に付いているように見える。

・同じ付け根から1~2つの花が様々な方向を向いて咲く。

・花と一緒に、緑の若芽が見られる。

・花と葉が同時に咲く

・幹肌には凸凹があり、斑点模様が見られる。

「桜」

・花弁の先端が二股に分かれている(品種によって程度に差はある)

・花柄が長く、同じ付け根から複数の花が、下を向くように咲く。

・葉は、花が咲き終わった頃から初夏にかけて茂る。

・幹肌は赤茶色で、ごつごつとしていて横縞模様になっている。

 

このあたりを押さえて見てみると、「梅」「桃」「桜」の区別がつきやすいと思います。

 

◆ ノート | 暦で、話を咲かせよう。「日本の旧暦」

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