絵こよみ「穀雨」二十四節気 其の六

二十四節気の「穀雨(こくう)」は、穀物を潤してくれる春の恵みの雨が降る頃。茅花(つばな)の花穂(かすい)を吹き渡る雨の気配を含んだ南風「茅花流し(つばなながし)」など、幾つかの雨風を感じながら、夏の始まりを告げる八十八夜を迎えます。

田植えの前の準備となる「代掻き(しろかき)」。肥料を撒いた直後に水を張り、トラクターで土の塊を砕いて掻き混ぜます。田んぼを平らにして水の深さを揃え、土を柔らかくして、田植えの作業がしやすいようにしておきます。

 

二十四節気「穀雨(こくう)」オタマジャクシ

二十四節気「穀雨(こくう)」オタマジャクシ

 

水が張られた田んぼには、様々な生き物たちが集まります。稲づくりにも一役買ってくれているアメンボやドジョウたち。オタマジャクシは水草などを食む食む(はむはむ)しながら、カエルに成長していきます。

 

 

「穀雨」における七十二候は 次の三候

 

初候「葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)」第十六候

水辺の葦(あし)が芽を吹き始める、新暦4月20~24日頃

葦の新芽「葦芽(あしかび)」は「葦牙」とも書き、水面から角のように尖った芽が出てくるので、「角(つの)」「錐(きり)」などとも例えられます。水辺では、ぐんぐんと勢いよく生長していきます。今少し春の陽気を楽しもうとする景色の中で、初夏の陽気が交錯しています。

 

次候「霜止んで苗出ず(しもやんでなえいず)」第十七候

霜の覆いが取れて健やかに苗が育つ、新暦4月25~29日頃

立春から数えて88日目にあたる雑節「八十八夜」。2021年は「立春」が2月4日から3日に移行しているので、5月1日(土)が「八十八夜」になります。「夏も近づく八十八夜~」の茶摘みの歌にもあるように、お茶の新芽の摘み頃です。

暦的には もうすぐ夏を迎えますが、「八十八夜の別れ霜」と言われ、八十八夜を迎えるまでは遅霜(おそじも)が残ります。それを避けて、八十八夜を目安に、種まき・田植えなどの農作業は本格化していきます。

八十八夜などの雑節は、日本人の暮らしの文化から生まれた独自の暦日です。日本の気候風土に合わせてあるため、 主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっています。

 

末候「牡丹華さく(ぼたんはなさく)」第十八候

牡丹の花が咲き出す、新暦4月30~5月4日頃

春から夏へと季節が移りゆく中で、幾重もの花弁(はなびら)からなる大きな牡丹の花がゆったりと咲き誇ります。その雰囲気から「百花の王(ひゃっかのおう)」「富貴草(ふきそう)」などの華やかな別の呼び名もついています。

 

季節の栞 令和三年

晩春_三月_弥生

晩春

旧暦三月(新暦四月)

弥生(やよい)

 

「木草弥生い茂る(きくさいやおいしげる)月」

が要約されて「弥生」

「夢見月」「春惜月(はるおしみづき)」などとも呼ばれ、

あっという間に過ぎていく春の儚さが表されています。

 

二十四節気「穀雨」ビルベリー

 

白くて可愛らしい釣鐘状の花。ブルーベリーの野生種のビルベリーではないでしょうか。今月の末頃には花冠が落ち、初夏には小豆ほどの大きさで濃い青紫色の果実を見れるかも。

 

◆ ノート | 暦で、話を咲かせよう。「日本の旧暦」

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