時代の変遷と、西武百貨店の新業態。その新たな可能性は?

イトーヨーカドー三島店のフロア内に、西武百貨店がオープン。この言い方だと違和感があるので補足すると、西武百貨店のインショップがオープンしたということになります。


イトーヨーカドー三島店は大規模なリニューアルを行い、新しいテナントも加わって、9月4日にリニューアルオープンしました。静岡県東部地区においては初めて生活雑貨専門店ロフトが出店したり、1Fのパブリックスペースに接する形で、新たにタリーズコーヒーもオープンしました。食品売り場も全面的に改装され、県内産品にこだわった品揃えを中心に、鮮魚やお酒の売り場も充実。売り場全体の内装も、ダークブラウンのカラーを基調に、グレード感をアップさせています。

その段階では まだ工事中だったんですが、ここで新たに西武百貨店のインショップがオープンしました。西武百貨店にとっての新業態になるかと思います。

 

西武三島ショップ1※地元に、このロゴマークが帰ってきました。

 

そのリーフレットを見てみると、店の名前は “西武三島ショップ” とあり、ストアコンセプトは「小さいけれど、奥深い。」。サブコンセプトには、「大切な方に会う日は特別なものを選ぶ、あなたのためのショップです。」となっています。店内を見渡してみると、婦人服・婦人洋品・紳士雑貨・生活雑貨・ギフトなどのコーナーがあります。売り場面積にして、200坪強といったところでしょうか。

 

西武三島ショップ-リーフレット※西武三島ショップのリーフレット(表紙と表4)

 

店の奥には、ギフトサロンと呼ばれるコーナーが設置されており、「西武池袋本店とお客さまを直結。次世代型ショッピングサービス」というタイトルにて、2つのコンテンツを掲げています。

まず1つ目が、ライブショッピングサービス。このギフトサロンにて、モニター画面を見ながら、西武池袋本店とのライブ中継で、ゆったり買い物ができるというサービス。もう一つが、お取り寄せサービス。西武池袋本店から最新の商品をお取り寄せして、西武三島ショップで受け取ることができるというサービス。いずれも昔からの西武ブランドのファンである年配層の方たちを意識しているものと感じられます。ネットショッピングなどの利用経験がなかったり、リテラシーの伴わない年配層の方たちにとっては、地元の店舗で、色々と教えてもらいながら、都心の品揃えの中で買い物ができるというメリットがあると思われます。ある意味、西武池袋本店のサテライト型ショップと言えるのでしょうか?

 

西武三島ショップ2※西武三島ショップとロフトが加わって、2Fの雰囲気が、ガラッと変わりました。

 

*

3年程前に、沼津の西武百貨店が撤退するというニュースが発表された時には、地元では衝撃が走りましたが、来る時が来たかという感覚も多くの人にはあったと思います。百貨店という業態自体の不振が続く中、新たなる可能性も見つかっておらず、それに加えて、地方都市の衰退も深刻で、沼津も色々な課題が叫ばれていました。

 

沼津西武※今となっては とても懐かしく、その後の風景もだいぶ変わってしまいました。

 

しかし、この沼津の駅前にある西武百貨店は、沼津のランドマーク的存在であり、静岡県の東部においては、唯一の百貨店だったので、そのニュースが とてもショッキングで寂しく感じたのを、今でも記憶しています。

元々、静岡県の東部は、伊豆の基幹鉄道である伊豆箱根鉄道に代表されるように、西武グループとは縁が深く、私の世代的には、西武ブランドの全盛期を知っています。個人的にも、母方の祖父の事業との関わりもあったり、私自身も学生時代には、西武百貨店の池袋本店でアルバイトをし、企画部門の仕事などにも関わらせていただくこともありました。ほんの30年程前のことですが、そのブランドパワーは、絶大なるものでした。

上記のニュースで、セブン&アイ・ホールディングスが発表した内容を思い出してみると、西武の沼津店と広島のそごう呉店を年明けにも閉鎖する方針を固めたというものでした。呉という町には、まだ行ったことがありませんでしたが、沼津と同じ港がある町というイメージだったので、商業と水産業という二つの業を有しながら、同じような形になってしまっているのには、何か共通の要因があったりするのだろうか?と考えてみたりもしました。

*

あれから3年が経ち、西武ブランドが新たな形にて、地元に再生しました。次世代型ショッピングサービスというキーワードを掲げていますが、どのような方向を目指しているのでしょうか?

現状の内容であれば、次世代型という点に関しては、若干の疑問符が残ります。その言葉の表す方向性が今ひとつぼやけているように思います。前出のサービス内容を見る限り、オールドファンを意識している部分が強いと思われますが、これでは、新しい若い年代層のターゲットに対するアプローチとしては力不足です。次世代型というキーワードが、オールドファンにとっての新しいサービスということを表しているのであれば、かなりネガティブな印象を拭えません。

この次世代型というキーワードが、本当の意味での次の世代(若い年代層)にとっても付加価値の高いものを提供していくという方向に向かっていくことができたら、その可能性を感じることができます。

この新業態の真価が問われるのは、これからだと思いますが、そのブランドの全盛期を知っているものとしては、その再生と可能性に大いなる期待を寄せています。

 

参照・引用
イトーヨーカドー|ホームページ/参照・引用)
(西武三島ショップ|リーフレット/参照・引用)

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*